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更新日:2021年7月21日
出身は藤枝市で、出身大学は熊本大学です。熊本大学は卒業生の半数以上が大学に残ります。関東など、九州以外に出るのが2割程度で、それ以外は九州内の病院で研修を行います。初期二年間を熊本で研修するか、静岡で研修するか迷いましたが、三年目以降静岡で働くことを考え、初期二年間も静岡で働こうと決めました。研修病院を決める前には、東部、中部、西部の病院を見学しました。どこの病院も暖かく迎えていただき、静岡県民の人柄の良さを感じました。静岡は医師が足りないと言われていますが、静岡中部では、人口も病院も多く中部出身でありますが、中部以外で研修をしようと思いました。初期研修のうちは、分野の偏りなく多くの症例を経験したいと思ったからです。近くに大きな病院がいくつもあると、どうしても分業化が進んでしまうと思ったからです。三年目以降により専門的に学ぶ時に、そういった病院で働きたいと思います。
伊東市民病院は、伊豆半島の中核病院として救急症例も多く、症例の幅も広いです。観光名所であり、土日や夏期休暇、年末年始に観光客が多く、救急患者も倍増します。月四回程度の当直を一年ほどやらせていただきましたが、一年前とは比べられないほど、救急対応に自信が付きました。
医師が不足しているということは、研修医のうちから戦力になれるということです。私も研修中に、先生がいてくれて本当に良かったと言われたことが何度かあります。また、忙しい指導医の少しでも役に立ちたいと出会った症例のことについて、日々学んでいます。指導医の先生も忙しい中で時間を割いて、色々な事を教えてくれます。それは、机上の空論ではなく、実際の臨床現場で役に立つことが多いです。実際には診ていない病気について学ぶより、患者さんを担当しその疾患の病態生理、症状、治療法を学ぶほうが何倍も身に付きます。もちろんアカデミックに知識を整理する時もあります。毎週研修医の症例発表の時間があり、月に一回程度は学会に発表するようなスライドも作らなければなりません。私もこれまでに大腸憩室炎、小児の細菌性髄膜炎、心筋梗塞、血液型不適合妊娠、高アンモニア血症、意識障害などの症例についてスライドにまとめ、発表しました。特に高アンモニア血症の症例は、高齢発症の肝内門脈肝静脈シャントの症例であり、学会発表も考えています。内科の指導医から「学生とは違うんだからやらなきゃ意味がない」と言われたことがあります。
大学病院などでは初期研修医の数も多く、学生と一緒に見学する場面も多いかと思います。手技を取り合う時もあります。医者不足の地域で研修することは、初期研修医の内から戦力として働ける可能性があるということです。初期研修医の二年間の過ごし方が、その後の医師人生を左右すると思います。色々な病院を見学して、そこの研修医とも話をして、自分もこんな風になりたいと思える医師がいる病院で是非研修してください。
<写真:伊東市民病院>
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