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更新日:2014年9月5日

 静岡医療福祉センター児童部 施設長 森山明夫 先生

 静岡医療福祉センター児童部は静岡県済生会グループの一員で静岡済生会総合病院に隣接しています。その前身は静岡療護園と称し、60年の歴史を有する肢体不自由児施設(現在の名称は医療型障害児入所施設)です。ここでは様々な障害を持った子供たちが治療を受けつつ、隣接する静岡県立静岡南部特別支援学校において教育を受けられるのが特徴です。障害を持った子供たちは治療のために親許を離れて長期の入院を余儀なくされますので、治療と同時に将来社会で生きて行くための学校教育と育成指導が欠かせません。この治療をしながら子供たちを育て上げることを「療育」と言いますが、療育には多職種が必要であり、医師、看護師、療育支援員のほかに40数名のリハスタッフ、指導員、保育士、心理士など多くの職員が総合的に関わりをしています。医師は整形外科医と小児科医が常勤でおりますが、障害児歯科を担当する歯科医師も常勤しています。

 当センターは昭和28年に全国で6番目の肢体不自由児施設として設立され、当初は小児整形外科的疾患が多くを占めておりましたが、その後対象疾患は大きく変化しました。現在、入院児の約80%は脳性麻痺であり、治療としてはリハビリテーション・手術が主となっていますが、脳性麻痺児では障害の重度重複化が目立ちます。入院ベッド数は60床で入院児数は減少傾向がみられますが、外来は逆に増加が著しく、現在、1日平均180名を超してなお増加の傾向にあります。様々な疾患が訪れ、様々な相談が持ち込まれますが、現在の外来の対象疾患は約1/3が脳性麻痺を中心とした肢体不自由児(成人になった方も通院しておられます)、1/3が整形外科疾患、残り1/3が自閉症を主とした発達障害児です。肢体不自由児施設に発達障害児が何故集まるのか不思議に思う方がおられるかもしれませんが全国的な傾向です。重度重複障害を持つ肢体不自由児にはもともと自閉的な傾向を合併している児が多く、その治療のノウハウを有していたことがその理由かと思われます。

 静岡医療福祉センターの理念は、「私たちはノーマライゼーション実現のため、あたたかな心をもって皆さんを応援いたします」です。これは、「障害を持っていても地域であたり前の暮らしができるようにしよう」というノーマライゼーションの実現を目指したものです。この理念に共感できる方は是非一緒に働いてくださるようお願いします。

 

静岡医療福祉施設長 平成26年9月 静岡医療福祉センター児童部 施設長 森山明夫