病院長等による病院紹介 > 聖隷袋井市民病院 院長 宮本 恒彦 先生
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更新日:2014年8月8日
当院は昨年5月に袋井市からの指定管理を受けて開設され、設備は旧袋井市民病院を利用していますが組織的には全く別の新しい病院です。単純に旧袋井市民病院を聖隷が継承したわけではなく、役割も規模も大きく異なります。従来の自治体単位ではなく、より広い地域で医療機関ごとの役割分担をして、地域医療を維持しようというアイデアに基づくもので、当院の役割は袋井市を中心とした地域での亜急性期から慢性期の医療です。
とかく急性期の高度医療が注目されがちですが、急性期が過ぎても継続して医療を必要とする患者さんは多数おられますし、急性期の病院がその機能に特化出来るように、後医療を担う医療機関がなければ地域医療は成り立ちません。その意味で地域での当院の存在意義は大きなものがあると自負しています。
昨年6月に一般病床50床からスタートして開設から1年余り経過し、近く二つ目の病棟として療養病棟を開設します。これまでは急性期病院から亜急性期の患者さんを転入院の形で受け入れることが主体でしたが、今後はそれと同様に、長期療養が必要になる様々な障害を持った方を積極的に受け入れて行くことになります。いずれ回復期病棟も整備し、3病棟、150床の病院にする計画です。
現状ではスタッフは少なく、非常勤医に頼る面も少なくありませんが、様々な立場の医師に相談する機会は十分あります。何より、このような亜急性期以降の医療は意識的に参画しないと見えてこないもので、若いうちにこのような地域医療の現場を知ることの意義は大きいと考えています。
あまり華々しい医療ではないかもしれませんが、現実は多くの疾患や障害を持った方がおられ、様々な領域の疾患の治療が必要とされています。さらに地域の診療所や様々な福祉施設との連携も大切ですし、このような診療現場では、高度の専門性は必ずしも直接的には発揮出来ないかもしれませんが、患者さんのためにはそのような総合診療的な対応を行うことは重要です。このような体験をすることが、医師としての成長にきっと役立つはずです。是非選択肢の一つとしてご検討いただきたいと思います。
平成26年8月 聖隷袋井市民病院 院長 宮本恒彦