病院長等による病院紹介 > 浜松労災病院 院長 有井滋樹 先生
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更新日:2015年3月6日
研修医として臨床現場にデビューされようとする医学生諸君に私どもの病院をご紹介いたします。
当初は増加する労働災害や職業病に対する専門的医療の提供を大きな使命とする国家プロジェクトとして1967年に本院は設立されましたが、現在は患者さんの98%が一般の急性期疾患であり、地域医療を担う中核病院となっています。病床数は312床(うちICU6床)で21診療科を有しております。医師の構成は京都大学、浜松医大、産業医大の医局が中心ですが、出身大学は多彩です。
私は2012年4月に着任し、良質の医療を提供することは当然として、本院の使命を二つとしました。一つは地域医療支援病院として地域住民の方々がいつなんどき急病、事故、災害に遭遇されても迅速に、適切に診療する病院でなければならないということです。あと一つは研修医に対して良質のプログラムを提供して高度な臨床研修基幹病院にすることです。この2点をわたしどものミッションとしてより高みを目指しております。
一つ目については救急医療が大切な柱です。とくに適切な初療診療がなされなければ重篤な転帰をとりかねない疾患、病態たとえば虚血性心疾患、脳血管障害、急性腹症、そして外傷がとくに大切ですので、循環器内科、心臓血管外科、脳神経外科、消化器外科、整形外科、形成外科はオンコール体制で救急診療にあたっております。年間の救急搬送は約3500件と本院の規模としては多く、その40%強が入院治療を要しています。これらは二つ目の臨床研修病院として重要となります。初期研修医にとってプライマリーケアは研修の根幹をなすものであり、ことに上記のような疾患に対して適切な対応を習得することが要求されますが、それにこたえることのできる専門医、症例数を有しております。
平成27年度には初期研修医が2名(26年度は1名)、後期研修医が2名(ともに循環器内科)着任します。
私自身は27歳から30歳までが唯一の大学以外の一般病院の経験ですが、その病院は150床程度の病院でした。診療科間の垣根が低く、診療科も少なかったので逆に多くのプライマリーケアを経験することができました。大規模病院とは異なる良さをブラッシュアップして実りある研修プログラムを提供してまいりたいと思います。
全職員が良医を育てるという使命を共有して研修医をお迎えする所存です。
平成27年3月 浜松労災病院 院長 有井滋樹