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更新日:2015年2月5日

伊豆医療福祉センター 施設長 佐藤倫子 先生

 当センターは、医療法上の病院の機能と児童福祉法及び障害者総合支援法上の社会福祉施設の機能を併せ持っており、社会福祉法人恩賜財団済生会支部静岡県済生会が運営しています。昭和40年に県立の「肢体不自由児施設伊豆療護園」として開設され、今年で50年目を迎えます。開設当初はリハビリを目的とした整形外科疾患の方が多かったのですが、次第に小児神経科疾患の方が増加し、精神運動発達遅滞の方の割合が増え、重度の知的障がいと肢体不自由を重複する重症心身障がいの方の割合が全体の入所児の8割を占めるようになり、摂食・嚥下障がいに対するリハビリ、呼吸障がいに対する呼吸リハビリなど必要とされる援助も広がってきました。

 このような状況を踏まえ、県からの要請もあり、平成16年4月から「重症心身障害児施設伊豆医療福祉センター」となり、平成24年4月に県立から済生会による民立に移管され、平成25年11月に終了した大改修工事を経て生まれ変わりました。

 提供するサービスも総合支援法の施行等により大きく見直され、入所支援としては児童が「医療型障害児入所施設(まいか)」、成人が「療養介護事業所(にじ)」となりました。また、小児科、小児神経科、発達行動小児科、小児脳神経外科、整形外科、リハビリテーション科、障がい児歯科など多岐にわたる外来診療を行い、理学療法・作業療法・言語聴覚療法・心理療法などの入所・外来リハビリにつなげるとともに、社会福祉事業として短期入所事業、未就学児の通所事業「児童発達支援センター(ポレポレ)」、成人の通所事業「生活介護事業所(こすもす)」、相談支援事業所「サポートセンターみらいず」など様々なサービスによる障がい児(者)支援を行っています。

 特に、近年、自閉症スペクトラムをはじめとする発達障がいの方の外来診療が著しく増加しており、発達障がいに対応した作業療法、言語聴覚療法、SST(Social Skill Training)やFamily Trainingなどの需要が増加しています。また、学校や幼稚園、保育園等への対応方法の指導や、一般の方、学校・幼稚園の先生方を対象とした発達障がいの講演会を年3回程度開催するなど、情報提供にも努めています。

 地域の健康保健センターによる発達相談、地域におけるリハビリの実施、発達支援のための集まりへの協力など、県東部・伊豆地域を中心に各専門職を派遣する機会も増えており、今後、ますます地域への支援の必要性が増加していくことが予想されます。県東部・伊豆地域の障がい児(者)への診療、リハビリテーション、地域相談支援の中心的役割を担う総合療育相談センターとしての機能向上を目指しています。

 

伊豆医療センター 平成27年2月 伊豆医療福祉センター 施設長 佐藤倫子