ホーム > 医学生の方へ > ふじのくに次世代医師リクルーターからメッセージ > ふじのくに次世代医師リクルーター 静岡医療センター 岩部 友一郎 先生
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更新日:2025年9月29日
はじめまして。静岡医療センター初期研修医2年目の岩部友一郎と申します。もともとは東京都出身であり、静岡県に縁もゆかりもありませんでした。静岡県医学修学研修資金制度がきっかけとなり、医師1年目から東部で勤務させていただいております。今回は医学生の皆さんに向けて、日々の研修で感じたことや考えていることを、二つほどお伝えしたいと思います。
まずは、専門的な知識や診察以前に必要とされるもの、それは人間関係を築くことだと感じています。医師1人では何もできません。誰しもが誰かに頼り、支え合うことで初めて医療が成り立ちます。医師1年目の頃から、同僚や上級医、そして何よりもコメディカルの方々と積極的に連携していくことは、私たちの生涯を導く礎石となるでしょう。
とりわけ現場では、的確な言葉でのやりとりはもちろんのこと、微妙な空気やリズムのような阿吽の呼吸をつかんでいくことも求められます。この距離感をつかむこと、それは日々の仕事を円滑に進めていく上で、私の大きな課題となっています。
次に、専門としての医学を学ぶだけでなく、医学という枠の外を覗いてみると、それが巡り巡って臨床に活かされることもあると感じています。医師としてのキャリアはまだ2年目ですが、救急や病棟での対応を経験し、様々な生活史に出会う機会をいただきました。
実際に、私たちが医療による介入を提案するためには、患者・ご家族の構成や関係性、職種、生活環境だけでなく、病院の外で利用可能な社会保障制度についても想定できる必要があります。さらには、もう少し射程を広げて、今日国内外で生じている時事や、信仰や倫理について関心を向けることも、私たちにとって、避けては通れないように思えます。
あらゆる病が、どのような背景の中で現れたのかを理解しようと努めることは、行き着くところ、専門である医学そのものについて、そして日々の臨床にも、常に問いを作れるような糸口を与えてくれると考えています。
人間関係や医学の外について、私が何気なく研修で抱いていたことを綴ってみました。とはいえ、医学生の皆さんにとっては医師国家試験に合格することが先決だと思います。一方で働き始めると、思うように余暇を楽しむこともできなくなってきます。
ほどほどに頑張り、肩の力を抜きながら、医学生の間にしかできないことにも存分に取り組んでください。医師を目指す皆さんの旅路が、実り豊かになることを心より願っています。
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