ホーム > 医学生の方へ > 病院長等による病院紹介 > 浜松医療センター 感染症内科 髙宮 みさき 先生
ここから本文です。
更新日:2016年11月11日
浜松医療センター感染症内科の髙宮みさきです。このメールマガジンを読んでいる方は、学生さんあるいは研修医の先生方とのことですが、みなさんの思う「臨床研修」とはどのようなものでしょうか。なかには、すでに「自分は、何科の医師になる」と決めている方もいるでしょう。特に、そういう方は早く専門性の高い医療に従事したいと考え、初期臨床研修に必須のローテーションにあまり興味がわかない人もいるのではないでしょうか。得手不得手もありますし、そういう気持ちもわからないではありません。しかし、「その科にはすすまない」からこそ、初期臨床研修でのいろいろな科での経験は非常に貴重です。人生において、もう二度とないかもしれないのですから。また、「ほんの少しでも経験したことがある」ことは、今後、自分の患者さんの相談を他の科の医師に相談したり、鑑別診断を挙げる際に、非常に大切になってきます。個人的には、「専門性を高める」ことも重要ですが、「全体をひろくみて経験する」ということも、同じくらい大切だと思います。個人的なことですが、私自身が研修医のときに、自分が感染症内科医になるとは思っていませんでした。また、縁もゆかりもない浜松の病院に就職するとも全く思っていませんでした。しかし、2年間の初期臨床研修の際に、「抗菌薬の選択っておもしろいな」と思ったこと、それが今につながっているような気がします。2年間のすべてを覚えているわけもありませんが、その2年間が今の自分に間違いなくつながっているとは感じています。
当院は、病床数606床(感染症病棟6床含む)の救命救急センターを有する三次救急医療施設です。私が所属する感染症内科をはじめ、内科・外科各科が比較的そろっており、ローテーションを行いやすい環境だと思います。制度や設備は完備とはいえない面もありますが、毎年少しずつ整えられてきています。皆さんの意見や経験を活かして、よい研修を積極的に形作っていってほしいと思います。初期臨床研修の2年間は、医師として、社会人としての基礎をつくり、可能性を広げる大切な2年間です。たかが2年間ですが、されど2年間です。与えられた機会を、存分に活かしていってほしいと思います。最後になりましたが、ご縁がありましたら、一緒に研修しましょう。