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更新日:2017年3月17日

聖隷三方原病院 臨床研修センター長 志智 大介 先生

志智先生 聖隷三方原病院臨床研修センター長の志智と申します。

 医学生や研修医のみなさんは、これからどのような病院を選んだらいいのか悩んでおられることと思います。その際に、参考にするべきことは3つあると考えます。それは、「病院の雰囲気」「使命感」「求める医師像」です。

 「病院の雰囲気」、これはそれぞれの病院の歴史と大切にしてきた理念に基づきます。当院の原点は、1930年にクリスチャンの青年たちが、ある貧しくて結核を病み行き場を失ったひとりの患者を受け入れ看護したことが始まりでした。1942年には当院の前身となる聖隷保養農園付属病院が開設されました。聖書では「隣人を自分のように愛しなさい」とあり、その後もずっと当院は基本理念として”隣人愛”精神に基づく人材の育成に努めてきました。当院は人間教育にも理想的な環境です。医療者に求められる資質の根本は愛であり、困った人を助ける奉仕精神です。当院での初期研修を通じて、これまでの当院の歴史や理念に基づいた医療者としての態度を指導医や先輩医師からは勿論、コメディカルや事務スタッフといった多職種からも、日常のさまざまな場面で自然に感じとることができると思います。

 次に「使命感」です。当院の医療圏は、浜松市北部の山間部も含まれる医療過疎地帯にあたります。病院開設時より、地域に根差した病院として広く受け入れを行ってきており、”決して断らない救急”医療を実践してきた歴史があります。さらに、専属の救急ドクターの配属、ドクターヘリ事業の開始、民間病院として初めての高度救命救急センター指定と、救急事業の発展・高度化も進めてきました。また当院は、日本で最初のホスピス病棟開設、エイズ拠点病院、身体合併症の精神患者にも対応した精神科、院内助産所開設、認知症診療拠点など常に新しい課題にも挑戦し続けています。このような病院としての姿勢は、地域からのニーズを反映してきたものです。医師をはじめ多くのスタッフがその必要性を理解し、自分達の提供している医療サービスの大切さを体感することで育まれる使命感は、医療者にとってかけがえのないものだと考えます。

 そして最後に「求める医師像」です。はじめに、当院の初期研修医はどのように育成されているのでしょうか。一つはこれまで述べてきました当院の歴史や立ち位置から、救急及び各科の外来患者が地域から多数集まるため、急性期医療の経験を数多く積めることです。二つめは、市中病院ならではのcommon diseaseを数多く経験できるだけでなく、スーパーローテート方式により幅広く経験の習得が可能なことです。当院は大学病院クラスの37に及ぶ多数の診療科がそろっており、診療科の多くが学会認定の指導・教育施設等となっており、より専門性の高い医療についても触れることができます。診療各科にまたがる基礎の上に専門性を築くという医師の教育は理想に近いものと考えています。

 この二つを通して目指しているものは、地域から求められている医師像に応えられる医師に育てることです。急性疾患や common diseasesに的確に対応でき、総合医としての幅広い知識と技術を持った医師こそ地域が求める医師像だと思います。さまざまな学びの機会がある当院での経験は、磐石な基礎として皆さんを支え、今後の医師人生をより豊かなものとしてくれると信じています。

 初期研修医のサポートをする臨床研修センターは、医師・看護師・事務スタッフを配置し研修医として大切な社会人・医療者としての態度を教え、また自律的に研修をすすめる環境を作り研修医自ら上達していくのをサポートするよう心がけております。

 医療人としての奉仕精神を大切にし、必要な幅広い知識と技術を持つ理想の医師を目指してチャレンジする皆さんのご見学・ご応募をお待ちしています。

 

臨床研修センター長 志智 大介

 

【お問い合わせ先】

総合病院 聖隷三方原病院

電話:053-436-1251(代)