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更新日:2015年9月3日

共立蒲原総合病院 病院長 西ヶ谷 和之 先生

 当院は富士市・静岡市・富士宮市の3市により運営されている公的病院です。病院のある場所は静岡市に近い富士市内にあり、富士山と富士川を眺望できる小高い丘の上にあります。前記3市の住民の医療を担っています。付帯施設として、健康診断センター・介護老人保健施設を有し、一般の医療だけでなく、予防医学や介護にも力を注いでいます。

 医療設備は、MRI(1.5T)・CT(64列)・血管撮影装置などの画像診断設備や、内視鏡センターなどを有し、急性期医療に対応した病院です。また、一般病床だけではなく、地域包括病床、療養病床、透析センター、訪問看護ステーションなどを有するケアミックス型の病院です。疾病予防、急性期から慢性期、そして在宅医療まで、一病院完結型であり、地域住民と常に直結した医療を行っている病院でもあります。

 救急車で搬送されてくる患者さんは、1次および2次救急の患者さんが多く、従って軽症から中等症の患者さんが多く搬送されてきます。そのため、若い医師が修練を積む手始めとして適する病院であり、熟達医の指導のもとに、初期診断を任され、自分で治療方針を立てていく経験を多くの症例で積むことができます。当院では医師数が充足していません。しかし、その反面若い医師にとっては、外科系の多くの科において、熟達医の指導のもとに、術者としての多くの経験を積むことができる病院でもあると考えます。

 当院の周辺地域は全国でも有数なC型肝炎の多発地域です。そのためC型慢性肝炎をはじめとして肝硬変、肝細胞癌症例が多い病院です。そのC型肝炎の治療では、インターフェロンフリーを積極的に行っています。肝癌治療について、当院では消化器内科で腹部血管造影、肝動脈塞栓術を施行しています。血管造影の機器を最近更新し、血管の3D画像も可能で、加えて「EmboGuide(エンボガイド)」ソフトウェアを搭載しています。コーンビームCT(血管造影時CTを同時撮影する)より得られた3D画像より、従来多数の撮影を繰り返すことでしか確認できなかった腫瘍の栄養血管がより正確迅速に把握でき、血管造影手技の正確性とスピードの改善に貢献しています。また肝臓癌に対してはラジオ波熱焼灼療法も行っています。

 内視鏡的治療も数多く行っています。肝硬変に伴う食道静脈瘤に対する予防的硬化療法、緊急時の結紮療法、その他の消化管出血の内視鏡的止血、ERCPを用いた総胆管結石の治療、胆管ステント挿入などを行っています。

 学会等への出席には年間15万円までの補助をしており、医師の住環境の整備にも努めており、多くの若い医師に勤務していただきたいと考えています。

 

共立蒲原総合病院 西ヶ谷院長  平成27年9月 共立蒲原総合病院 病院長 西ヶ谷 和之