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更新日:2015年10月30日
私は島田市民病院の消化器内科で勤務している卒後8年目の金子淳一と申します。
出身は自治医科大学という、地域医療を支える医療人を育成する大学であったため、初期研修終了後、僻地で勤務することに対して、ためらいはありませんでした。
卒後3年目で、私は内科医として、佐久間病院という60床の山間地区の病院へ赴任しました。
周りが山に囲まれており、総合病院まで搬送するのに、一時間半程度要する環境でしたので、気軽に他院へ紹介するのも難しい環境でした。
2年間働かせていただきましたが、内科領域だけでなく、整形外科領域まで、広く診療をさせていただきました。また、老々介護や過疎化の実態を目の当たりにし、疾患の治療だけでなく、生活そのものを、どのようにするかを考えさせられました。
その後、公立森町病院という110床の病院へ転勤となりました。
病院の規模が少し大きくなり、求められる処置も増えました。内視鏡処置やその他の内科処置をはじめ、外科的気管切開など、数多くの処置を、経験させていただきました。
また、森町病院は、在宅診療に力を入れており、自分も在宅看取りを経験し、自宅で亡くなることの大変さ及び家族本人の満足を知ることが出来ました。
初期研修修了から5年間の僻地勤務を終了し、現在は市立島田市民病院で消化器疾患のエキスパートを目指すべく、消化器内科医として後期研修を行っています。
昨今では総合診療という領域が脚光を浴びてきており、数多くの大病院が総合診療医の育成に力を入れプログラムを立ち上げています。
我々の赴任する僻地病院の多くには、現在整えられた研修プログラムはありませんが、経験豊富な尊敬すべき先輩医師がおり、そして医療を必要としている患者がいます。
医療が必要とされている環境であり、非常にやりがいを感じます。
多くの処置が出来るだけでなく、上手な患者理解やマネージメントができる、いわゆる何でも出来る総合診療医を目指す方には、地域医療の場は、もってこいの場であると思います。
僻地診療は、最先端医療とは違いますが、実地医療の最前線であると思います。
その最前線の現場で学ぶことは、その医師の人生においてとても貴重な経験になると思いますし、私にとっても貴重な時間でした。
僻地診療だけが地域医療ではなく、現在勤めている地域の中核病院も、また地域医療の大切な担い手になっていると考えております。
興味のある方は是非、地域医療の現場で一緒に医療を学んでいきましょう。
平成27年10月 市立島田市民病院 金子淳一
自治医科大学全景