静岡県立静岡がんセンター 病院長 玉井 直先生
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更新日:2013年10月4日
静岡県立静岡がんセンター(以下SCC)は、平成14年静岡県東部(駿東郡長泉町、東海道新幹線JR三島駅から車で15分)に開設されました。「患者の視点を重視する」ことを基本理念に多職種チーム医療を実践し、がん専門病院として日本のがん診療をリードしてきたと自負しています。各分野に優秀な専門家を集め、常に最新の外科手術、化学療法、放射線療法(陽子線を含む)を実施するとともに、がん領域における口腔ケア、リハビリテーションを開拓してきました。また、開院当初から患者の立場に立ち相談機能を充実させ、日本で最大規模の50床の緩和ケア病棟を備え、がんの診断初期から終末期に至る緩和ケアを提供しています。
がんの治療患者数、がん登録数ともに国内第3位の実績を持ち、2台の手術支援ロボット・ダヴィンチを備え、前立腺がん以外に、直腸がん、胃がんにも積極的に取り組み、また多くの化学療法等の治験や臨床研究を行っています。これらの実績を踏まえ、平成25年4月には、大学病院、ナショナルセンター以外では3施設目となる特定機能病院として承認され、今後とも高度医療の提供と開発・研究、そして人材養成に努めていきます。
SCCは、がん専門病院であり、卒後3年目以降を対象とした基本レジデント3年コース、その上級のチーフレジデント2年コース、さらには特化した専門領域の修練医(1~3年)や、6か月~1年の短期研修制度を用意しています。最近は常時60~70人が在籍していますが、後期専門研修を修了した年代が多いのが実情です。国内外の学会参加や英語論文作成には可能なかぎり研究費(公費)により支援し、レジデントに積極的に発表してもらうようにしています。
なお、上記のSCC独自の研修制度のほかに、静岡県東部地域、あるいは全県の複数の病院と連携した専門医研修ネットワークプログラムにも参加しており、レジデント制度の中に組み入れています。
さらに、平成25年度から始めた慶應義塾大学大学院との連携大学院制度は、レジデントにも門戸が開かれており、基礎研究への参加と博士号取得の機会を提供しています。また、レジデント修了生の中から適時SCCのスタッフへの採用も行っています。
以上のように、SCCはがん診療のあらゆる分野において、研修また研鑽できる環境にあります。一人でも多くの意欲あふれる若い医師がSCCで学び、共に働き、そして静岡県の医療に寄与していただけることを期待しています。
平成25年9月 静岡県立静岡がんセンター 病院長 玉井 直
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