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更新日:2013年9月19日
みなさん初めまして。静岡県立こころの医療センター後期研修医1年の小出由梨香と申します。私は初期研修で地元静岡に戻って医師としてのスタートを切り、現在静岡県立こころの医療センターで精神科医として働き始め早くも約半年が経過しました。
精神科を志した理由の一つに学生時代友人がうつ病を発症し、力になりたいと思ったもののどうしてよいかわからず、思い悩んだということがあります。病気と向き合いひたむきに病と闘うも、病に対する辛さだけでなく、精神疾患に対する社会の理解が乏しいことやサポート体制の未熟さについて話を聞くうちに、精神医療に対し関心を抱くようになりました。
精神科の疾患はうつ病を始め、統合失調症、摂食障害、発達障害他多岐にわたり、抱える問題も様々です。当院では薬剤の治療のほかに心理教育、作業療法他個々の患者さんに最適な介入方法を多職種のスタッフで検討し、入院中だけでなく退院して地域に戻った後も在宅支援として様々な医療スタッフが一丸となって患者さんをサポートしていく体制が整っています。
また、今年5月から精神科救急病棟が2病棟に拡大し県内全域から患者さんを受け入れ、精神保健指定医の取得に必要な豊富な症例数と経験を積むことができます。
薬剤が効きにくい患者さんに対しては、修正型電気けいれん療法を積極的に導入し、治療の選択肢の幅も広がっています。また医療観察法による司法病棟も12床有し、多方面に渡り精神医学を学ぶに最適な環境がそろっています。
精神科は、多職種のサポートによって患者さんを多面的に支えていく「チーム医療」の重要性を実感できる科であると感じています。私自身はまだ精神医療に関わり始めて日は浅いですが、熱心に取り組むスタッフたちに日々感化され学ぶことの多い日々を送っています。精神医療に興味を持っている方は、ぜひ当院でチームの一員として共に働きましょう。
平成25年9月20日 静岡県立こころの医療センター 後期研修医1年 小出 由梨香
・電気けいれん療法(ECT)
頭部に通電し、全身けいれんを起こさせることによって精神症状の改善をはかる治療法。麻酔医の管理のもとで行われる修正型電気けいれん療法(m-ECT)も行われている。(参照:精神医学事典 弘文堂より一部改変)
・医療観察法・司法病棟
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律と上記法律に基づく指定入院医療機関が有する病棟(参照:心神喪失者等医療観察法ガイドライン集より一部改変)
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